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​18 プロであろうとする人

米田肇(シェフ)

少しの心の持ちようで、

ものごとの見方、捉え方が変わることがあります。

仕事を始めた頃は何もわからないことが多く、

学ぶことばかりです。

そのため、できるだけ早く

「プロになろう」と考え、頑張ります。

いわゆる、「修業」という言葉は

それに当たるのかもしれません。

しかし、この「プロになろう」と思っているうちは、

なかなかプロにはなれないものだと思います。

下から見上げているのでは、

なかなか上には行けないものです。

空手で、「茶帯から黒帯を締めると、

帯の色が変わっただけだから急に強くなるわけではない。

しかし、黒帯を締めると、負けられなくなるものだ。

精神が少し変わる、だから、結果的に強くなる。」

と言わたことがあるのですが、

仕事を始めたのなら、

それが新人であっても黒帯の精神、

すなわち「プロであろう」とする必要があると思うのです。

そうすると何かが変わり始めるのかもしれません。

ゲストから見れば、社会人一年生であっても、

シェフや社長と同じお店、

会社の一員であることには変わりありません。

ということは、社会人一年生でも

「プロ」として見られるということです。

プロであることは、

良い悪いの判断をゲストに委ねることになりますので、

一切言い訳ができない世界です。

 

そして、そのすべての失敗の責任を負うことになります。

しかし、厳しい世界だからこそ、

プロでしか見ることができない世界を知る

ことができますし、やりがいもあるのだと思います。

 

もし、まだ初心者で、

経験不足だからうまくいかないと考えている人は、 

「プロになろう」とするよりも、

「プロであろう」という精神で

日々の仕事を取り組んで見てください。

少し意識改革になり、

前に進むことができるきっかけになるかもしれません。

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